第1章 
イントロダクション
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「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉がある。
一見古いことわざではあるが音楽についてのアウトラインを一言で現す優れた言葉だと私は考える。そもそも「音楽」とは何かという事は後々考察するとしてまずはこの言葉についての考察が最重要である。
「歌は世につれ世は歌につれ」と正確にはことわざと呼んでよいのかはわたしの勉強不足で断定はできないが、ことわざ辞典をさがしてみると半々程の割合いで掲載されている。私の調べたところによると元文化放送のアナウンサーであった玉置宏氏(※1)が1958年放送番組「ディスクジョッキィ」でこの言葉を使い始め世に出たと言う記述があった。比較的新しい言葉ではあるが、時代に名を残すであろう名言に違いはない。
 この言葉を考察すると時代の名曲は世の情勢を反映し時代は名曲に反映されると言う事になる。しかしながらここで言われる「世の中」の括りは決して世界単位で考える必要は無く、個人としてもあてはめる事が可能であり「歌」もそれと同様に人が作るもの全般と考える事ができる。私自信作品を作る上ですべてがこの言葉にあてはまると言っても過言では無いだろう。作者の心情や考え、取り巻く環境、情熱を具現化した作品はその人物のその瞬間の分身である。
少し話しがずれてきてはいるが、作品を作る上で何やら溢れるものを押さえられず手と頭を同時に動かしぽんと作りあげてしまう時がある。私の場合駄作も多いが稀に良く考えじっくりと作りあげたものよりも格段に上出来の物が出来上がる事がある。ポールマッカートニー(※2)が夢の中で「let it be」のメロディーを授かったという話があるがそれと似た現象ではないかという気がしてならない。「神様がくれたメロディー」というと少し怠惰な表現だが自分一人では作り得る事がいささか難しいものが何やら「霊的」な現象によってなし得られる場合がごく稀にある。この辺りは科学的に解明する事が可能なのかは分からないが先程述べた作者の心情や考え、取り巻く環境、情熱が関与している可能性が高いと考えられなくもない。そして世の中の環境と自己の波長というべきか何らかの波が共鳴し何かが生まれ、その後二次的に逆の現象が起こる事がある。外界と内界の波がある種ループし上昇する現象である。俗に生まれる名曲や名作はこの流れを汲んでいる事が多く非常に興味深くそして奥深い。
 このレポートでは「歌は世につれ世は歌につれ」をキーワードに世の流れや私のバックグラウンドを踏まえつつ自己のサウンドと作品を多角的かつ客観的に考察し今後の活動の参考にしてゆく。

 

(※1)玉 置 宏
  昭和9年1月5日 神奈川県川崎市 出身
  昭和31年    明治大学商学部卒業
文化放送アナウンサーとして入社

 
(※2)ポールマッカートニー
リバプール出身1942年6月18日生まれ
学生時代に故ジョン・レノンと出会いクオリーメンに参加する。その後ジョージ・ハリスンとリンゴ・スターが加わり、ザ・ビートルズとしてレコード・デビュー。1970年にグループ解散後1971年にウイングスを結成。ウイングスは10年後に解散、その後ソロ活動を開始する
 
   
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